はじめに
この記事では、ブルートフォースアタックの仕組みや危険性、対策方法について詳しく解説します。
ブルートフォースアタックとは?
ブルートフォースアタックの特徴を以下で説明します。
総当たり攻撃
ブルートフォースアタックは、総当たり攻撃とも呼ばれます。攻撃者は、あらゆる可能なパスワードやユーザー名の組み合わせを順番に試すことで、正しい認証情報を見つけ出そうとします。この方法は非常に時間がかかる場合があり、複雑なパスワードを見つけるためには膨大な数の試行が必要です。
自動化された攻撃
ブルートフォースアタックは自動化されたスクリプトやツールを使用して行われることが一般的です。攻撃者はプログラムを使って、大量の試行を迅速に実行します。
パスワードの推測
攻撃者がブルートフォースアタックを実行する際、主な目的は正しいパスワードを推測することです。一般的なパスワードや単語辞書に含まれる単語を試すことから始まり、必要に応じて組み合わせや文字列の操作を行い、より複雑なパスワードを特定しようとします。
リソースと時間の要求
ブルートフォースアタックは非常にリソースと時間を要する攻撃手法です。複雑なパスワードを見つけるためには、多数の試行が必要であり、これには高性能なハードウェアや多数のネットワークリクエストが必要です。
防御対策
システムやアカウントのセキュリティを高めるためには、強力なパスワードの利用や2要素認証の導入、アカウントロックの設定、IPアドレスの制限などが推奨されます。また、セキュリティプラグインやファイアウォールの活用も効果的です。
ブルートフォースアタックの危険性について
ブルートフォースアタックが成功すると以下のような影響が生じる可能性があります。
不正アクセス
攻撃者は正しいユーザー名とパスワードの組み合わせを見つけた場合、そのアカウントに不正アクセスできます。これにより、アカウントの持ち主が持つ情報や機能にアクセスすることが可能になります。
データ漏洩
不正アクセスによって、攻撃者はアカウントに関連する個人情報や機密データを盗み出すことができます。これにより、個人情報の漏洩や機密情報の流出が発生する可能性があります。
不正操作
攻撃者がアカウントにアクセスすると、そのアカウントを使用して不正な操作や行動を行う可能性があります。これにより、詐欺行為や悪意のある活動が行われる可能性があります。
権限昇格
アカウントにログインできた場合、攻撃者はアカウントが持つ権限を利用して、システム内での権限昇格を試みることがあります。これにより、より高い権限を持つ部分にアクセスできる可能性があります。
他の攻撃への準備
攻撃者がアカウントにアクセスできると、そのアカウントを他の攻撃や不正活動に利用することがあります。たとえば、スパムメールの送信や、他のシステムへの侵入のための足がかりとして利用される可能性があります。
セキュリティの悪化
アカウントが不正に利用されることにより、システム全体のセキュリティが悪化する可能性があります。この攻撃によって、システム内に不正な活動を行うための侵入経路が提供されることがあります。
ブルートフォースアタックの対策方法
強力なパスワードを設定
強力なパスワードのセキュリティは、その長さや含まれる文字の種類によって大きく影響を受けます。以下に、ブルートフォース攻撃に対して、1文字から20文字までのパスワードを突破するのにかかる時間を示します。なお、これはあくまで下記前提条件に基づくものであり、実際の攻撃には様々な要因が影響します。
攻撃者は1秒間に1億回の攻撃が可能とします。
パスワードに設定できる文字は英語の大文字と小文字の52種類、数字10種類、記号8種類の合計70文字とします。
パスワード突破にかかる時間
計算式
for (let x = 1; x <= 20; x++) {
const combinations = Math.pow(70, x);
const breakthrough = combinations / 100000000;
let timeValue, timeUnit;
if (breakthrough < 60) {
timeValue = breakthrough;
timeUnit = "秒";
} else if (breakthrough < 3600) {
timeValue = breakthrough / 60;
timeUnit = "分";
} else if (breakthrough < 86400) {
timeValue = breakthrough / 3600;
timeUnit = "時間";
} else if (breakthrough < 31536000) {
timeValue = breakthrough / 86400;
timeUnit = "日";
} else {
timeValue = breakthrough / 31536000;
timeUnit = "年";
}
console.log(`${x}文字: 約${timeValue.toFixed(2)}${timeUnit}`);
}
パスワードの生成方法
強力なパスワードは下記のような「パスワード生成ツール」を使うと便利です。
パスワード生成(パスワード作成)するweb・ウェブ制作に役立つ便利ツール。お好みのパスワードを生成(自動作成)することが…
WordPressのセキュリティプラグインを使用する
SiteGuard WP Plugin
下記のようなセキュリティ対策が可能になります。
ログインURLの変更
管理画面ログインに文字認証を追加
ログイン失敗を繰り返す接続元を一定期間ロックする
まとめ
ブルートフォースアタックの仕組みや危険性、対策方法について解説をしました。パスワードの文字数を増やして複雑にしたりプラグインを導入してセキュリティを高め、Webサイトを守りましょう。
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